平家物語|「社長テーマ課題」制度 vol.8
第八弾のテーマは『平家物語』
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これは娘から「父、絶対好きだと思うよ、これ」と言われて見始めたアニメです。全話で大体4時間ほどですが一気見できちゃうくらい面白かったです。物語はまさにそのまんま「平家物語」。ここで「歴史物かあ・・・」と脱落する人もいるかもですが、現代風にアレンジされているので平家物語を知らない人でも全然大丈夫!
簡単に言えば怪談話で有名な「耳無し芳一」の職業、琵琶法師である「びわ」という女の子が主人公で、冒頭から平家物語の歌である「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で始まります。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きありとは世の中のすべてが変化し、どんなに栄えたものも滅びるという無常の概念を表しています。栄華に栄えた平家が東国で力をつけた源氏に敗れて・・・・といったストーリーですが、これは物語としてもビジネス的観点からしても面白い。そもそも源氏は平家に敗れ東国に逃げた武士たち。東国で着実に力をつけていく源氏に対し、栄華繁栄のために武力増強を疎かにし・・・・・
さてさて、そんなアニメ:平家物語の課題テーマですが
「未来を見える力を持ってしまったら?」
「嫌いな人を好きになるときは?(嫌いと好きの境界線)」
「「諸行無常」と「盛者必衰」を”させない”方法とは?(ガイダンスに置き換えて考えてください!)」
追伸:テーマソングの「光るとき」羊文学がまた良い!
受賞作に対しての社長コメント
今回もたくさんの課題提出、本当にありがとうございました!
4時間というボリュームにもかかわらず、みなさんからの回答はどれも深く、読み応えのあるものばかりでしたね!その中でも、3つのテーマすべてを深く掘り下げて答えてくれた文句なしの受賞です!おめでとうございます!特に「諸行無常」と「盛者必衰」を”させない”方法を「桜」に例えたのは、もう最高に響きました!その発想力、さすがです!
そして「嫌いな人を好きになるには?」という問いへの「互いを深く知ること」という回答は、私自身もハッとさせられる教訓になりました。本当にありがとうございます!
今月も、一番乗りでの課題提出、ありがとうございました!来月も楽しみにしていますね!
今回の社長賞は
『桜のような存在に』
作者:A氏
未来を見える力を持ってしまったら?
私は未来なんて見たくないと思いました。最初は未来が見えたらとても便利だろうと思っていました。視聴中に電車の遅延で家に帰れないことがあり、その際は「びわのように未来が見えたら回避できたかもしれない!」などと考えていました。
ただ最後まで見てみて、びわ自身が自分の未来を見たシーンはなかったので、
・見えるのは自分以外の未来
・常に未来が見えるわけではなくて、自分の行動によって未来が見える
この条件で考えてみました。
そうすると「未来なんて見たくない!」と考えが変わりました。一番の大きな理由は、他の人の未来に責任を持つことなんてできないと思ったからです。私の性格上、もし未来を見てしまったら、自分にとっての良い未来に変えようとしてしまうと思います。
平家物語を見るまで私は中学生の頃の知識で、ざっくりと平家は悪者、源氏はヒーロー的な存在というイメージでした。しかし、平家物語を見ていくと、平家の人たちがとても愛おしく感じるようになりました。と同時に、こんなにも簡単に気持ちが変わる人間が未来を見てしまい、さらに未来を変えようとしてしまったら、なんて恐ろしいことだろうかと思いました。私が思う良い未来が、必ずしも他のものにとっても良い未来とは限りません。変えようとしなければ良いのではとも思いましたが、誰かが苦しんているのを見てしまったら、知っていながら行動しなかったことを後悔してしまいそうなので、最初から未来など見ないほうがいいなと思いました。
ただ見なかったとしても「あのとき未来を見ておけば!」と思いそうなので、未来を見える力を持ってしまったら、私は見ても見なくても後悔ばかりの人生になってしまいそうです。(余談ですが、もし自分の未来も見られるなら、その時は自分の未来を見てしまう気がします。)
嫌いな人を好きになるには?
まず「嫌いな人」とはどんな人だろうと考えました。自分がこれまで生きてきて嫌いな人を思い出したときに、私にとって傷つく言葉を言ってくる人など、私からしたらありえない言動をしている人だと思ったので、自分にとっての嫌いな人は自分が理解できない人だと思いました。
そのため、嫌いな人を好きになる方法の1つは、相手を深く知ることではないでしょうか。
相手と向き合っているときは理解できないことも、相手の横だったり、後ろに移動してみてみると理解できることもあるのかなと思います。理解が深まっていくと、嫌悪感も薄くなり、だんだんと好きに変化していくと思いました。作中で、びわも最初は父親を殺した平家の人間に嫌悪感を持っていましたが、平家のみんなが大切な存在になっていったのは、一緒に暮らして、平家の人たちのことを深く知っていったからではないでしょうか。
「諸行無常」と「盛者必衰」を”させない”方法とは?
平家物語が書かれて約800年、今もこの言葉が伝わっているということは、多くの人が「諸行無常」、「盛者必衰」を感じてきたからだと思います。苦戦したのですが、まずは平家物語の時代から今も変わらず残っているものは何だろうと考えてみました。いろいろ思い浮かびましたが、最もしっくりきたのは桜です。アニメの平家物語の中にも桜が登場し、びわたちがお花見をしていました。食べるものなどに変化はありますが、今も盛んに行われている文化の1つです。
先日Xを見ていると流れてきたのですが、日本人は桜が大好きで、桜が開花すると誰かしら日記に書いているから、1200年間の開花記録があるそうです。私は配信部ですが、ガイダンスは制作もされているので必ずしも会社自体がずっと栄えている状態だけではなく、ガイダンスから生まれたものがずっと続いていくことも、ガイダンスを「諸行無常」と「盛者必衰」させない方法だと思います。
ガイダンスやその作品も桜のように愛される存在になり、愛してくれる人(ファン)をいつの時代にも増やしていくことが大切なのではないでしょうか。ファンを増やす方法としてはこの前の講演会で大畠さんから学んだことですが、期待値を越え、感動を与えることだと思いました。
最後になりましたが…
今回のお題の平家物語について、私自身は歴史に特に興味はなく、知識もかなり浅い状態で視聴でした。正直に言うと、似たような名前の人が多く登場し途中で混乱してしまったり、びわが平家物語の弾き語りをしているシーンは何を言っているのか理解できませんでした。
それでも作品を最後まで楽しめたのは、アニメーションのおかげだと思います。YouTubeで少し見たのですが琵琶の弾き語りだったり、文字だけでは、今の私は最後まで見聞きするのをあきらめてしまいそうです。何より楽しめそうにありませんでした。
現代の新たな文化、アニメーションという形で平家物語が新たな層に伝わっていくのが素敵だと思いました。一つ前のお話に似ていますが、平家自体は「諸行無常」で「盛者必衰」していったかもしれません。でも平家物語はこれまでの約800年そしてこれからも長く続いていく、「諸行無常」と「盛者必衰」しないものだと思いました。
以上、社長賞の受賞おめでとうございます!!
現代的な演出と深いテーマで、思っていたよりもずっと引き込まれました。
未来が見えたとしても、その未来が絶対に決まっているわけではありません。世の中はいつも変わっていて、その変化にうまく対応していくことがとても大切なんです。人の気持ちも、単純に「好き」「嫌い」と分けられるものではなく、嫌いだと思っていた人のことを知って視点を変えると、好きになることもある…そういうお互いの理解や関係の変化が、チームを強くしていくのかなと思います。
それから、「諸行無常」や「盛者必衰」という歴史の教えは、避けられないものです。どんなに栄えたものも、いつかは変わっていきます。だからこそ、今の成功に安心しすぎず、変わることを受け入れて、新しいことにチャレンジし続ける姿勢が、ずっと成長し続けるために必要です。時代の流れを見ながらも、ただ流されるのではなく、自分たちの手で未来をつくっていくことが大事です。
物語や歴史から学べるのは、変わることを怖がらず、受け入れることが成長のカギだということ。いつも柔らかい気持ちでいること、そして人との関係も含めていろんな変化を前向きにとらえながら進んでいくことが、これからの時代に必要な力なんだと思います。
過去の物語を通して、今と未来の仕事の在り方を考える。『平家物語』はそんな力を持った作品でした。